2019年に、ヤフオクで幼虫購入からスタートし、2021年1月に羽化。
2021年10月に3メス体制でブリードし、そのうちの1セットから幼虫が取れ1サイクルが回りました。
ここに、まとめます。
学名等については、ビークワ75号の記載に準じます。
デンティクルスゲンシミヤマについて
- 和名:デンティクルスゲンシミヤマ
- 学名:Noseolucanus denticulus
- 分布:ミャンマー北部、中国(雲南省、チベット南東部)
より詳細については、こちらのブログ(曇り時々晴れ - デンティクルスゲンシミヤマ飼育記①)をご確認ください。
きれいな写真と、より詳細な考察が書かれており、私もいつも参考にさせていただいてます。
また、生体については、こちらにも記事がありますので、参考にしてください。
幼虫購入からでしたので、まずは幼虫飼育について。
デンティクルスゲンシミヤマの幼虫飼育について
購入時期の冬~最初の夏まで
ネットにある情報や、私調べの情報、購入元のからの話では、16度キープということでしたが、
実際の飼育では、その温度帯で飼育をしてはいませんでした。
購入時は冬でしたので、少し保温した保管庫(18度程度)で管理しました。
本当に「生きてる?生存している?」という感じで見ていた記憶です。
食痕が大きくわかるわけでもなく、ただしっかり成長しててくれ、と思っていました。
(成虫サイズからも想像できるように、幼虫は小さい)
ちなみに、マットですが、購入時は購入先の自作と思われる黒土に近しいマットで
管理していましたが、その後は、Nマット+黒土のMIXで羽化まで管理しました。
ちなみに、飼育容器は、ずっとプリカです。
最初は120で、最後は200で羽化させました。
最初の夏
2020年の夏はそれは暑かった年で、冷蔵庫をはめ込んだ保冷庫の、冷蔵庫側の棚に置いて管理をしていました。
8月の真夏には、保冷庫の温度計は、20度を切ることはなく、毎日2回、凍らせたペットボトルを交換して、
しのいでいました(この時はまだセラーがない)。それでも、1頭も落ちることはありませんでした。
たまたまなのかもしれませんが、そこまでの低温が要求されるわけではないだろう、推測しています。
(とはいえ、24度が常時、というような環境は、通常のミヤマ飼育でもやりませんが)
コンプレッサー式のワインセラーがあることは、ミヤマ飼育で大きな安心になると思います。
私も、いまは4台を保有しています。氷で保冷するような設備は、ほんとうに目が離せないというか、
肝を冷やす毎日で、とてもストレスになりました(ので、ゲンシミヤマやるなら、セラーがあるに越したことはない)
ただ、セラーのない環境でも、1頭も落ちなかった。という事実は、あります。
秋から冬、そして羽化(その間のマット交換)
厳しい夏を超えて残暑もおさまるころには、飼育適温シーズンとなります。
購入元の記録によれば、2019年12月割り出しだったので、1年経過。
それまで、マットの交換は、
120プリカ詰め直しで1回。(2月ころ)
120→200へのサイズアップ時に1回(7月ころ)
計2回でした。
12月ころから順次、蛹化していき、1月ころ羽化をしていきました。
オスが数頭、そのあとメスが羽化をしてきました。
1か月以上の羽化ずれはありませんでした。
セオリーに従い、乾燥に注意しながら、2か月はもとの蛹室でキープ。
3月ころからプリカ&水苔で、10度前後のセラーで休眠保管となりました。
蛹化の段階で、1頭落ちてしまいましたが、オス3頭、メス2頭の理想的な割合で、
完品羽化?してくれました。
羽化したが、全体的にしり出(で)
形成不全、羽パカはなかったわけですが、
全体的に、しり出、でした。(写真参考)
これについては、「マットがあってない」という考察が適切ではないか、と思っています。
(私は、基本的にそう考えることにしています)
初齢時期、購入元のマットがどうであったのかわかりませんが、
購入後飼育では、Nマット+黒土で、この結果。
比較として、ドルクスファームかぶくわさんHPに掲載されているゲンシミヤマです(参考ページはこちら)
そんな感じに、尻がスタイリッシュであってほしかった!。。というだけですが。
休眠期間について
無事に羽化したあとは、他のミヤマと同じように、2か月程度は蛹室のままで管理し、
その後、水苔プリカにいれて、10度前後で半年程度休眠させました。
ここは特に他のミヤマと変わる部分はないと思います。
休眠明けについて
羽化から半年ほど経過して、10度管理から、15度、18度と2週間ずつくらいで
温度帯を変化させていきました。
メスのほうが7月中旬~下旬に、オスは、8月上旬に活動を開始しました。
活動状況は、プリカの上のほうにでて、よく徘徊するかどうかで判断しました。
一応、ゼリーを投入してみますが、食は非常に細いです。
食べない、という情報もありましたが、我が家のゲンシミヤマは、
ちゃんと食べていました。半分のゼリーが減るのに、かなりの日数がかかります。
ペアリングについて
活動開始してから、1か月程度、様子を見ました。
我が家ではオスの活動が遅かったので、
メスは、活動後2か月、オスは1か月たった、9月ころに同居させました。
ミヤマですので、ペアリングは苦労しませんでした。秒でした。
目視で確認できましたが、2,3日、そのままで同居させました。
もちろん、個体のサイズから、メス殺しはないと思います。
産卵セットについて
産卵セットですが、上述のブログ記事を参考にさせていただきました。
N+黒土です。黒土は篩がけしています。
水分量、普通です。温度はセラーで18度としました。
別でメス単(B品)を調達し、③ペア体制で挑みました。
1ペア目は、別で調達したメスです。ペアリングは確認。
残念ながら、産卵セット即、★になってしまいました。
2ペア目は、同血統です、こちらは潜りました。
一見、順調に思えましたが、潜ったまま様子が見えないため、2週間して割り出しました。
このように、潜ったままで、結果はボーズ。再度ペアリングはせず、
再セットしましたが、その後、★になってしました。
最後の3ペア目。このメスが頑張ってくれました。
2021年9月にセットしました。セット直後から
マットに潜り、ケース側面から、様子を垣間見ることができました。
マットを出たり入ったりと、これは。。と期待していました。
セット中は、特に管理はしていません。ゼリーはほとんど食べませんので、
ほぼ、放置状態でした。
11月の中旬くらいから、幼虫が見え始め、それとほぼ同じくして、
メスは潜った状態で、★となっていました(側面から見える位置でした)
この記事を書いている現在、まだ割り出ししていませんが、
ケース底面に10頭以上、わいている様子が見えますので、
結構産んでくれたんではないか、と思っています。
これにて、1サイクル、完了。
まとめ
野外品の入荷が数年来ない本種ですが、国内でまったく流通していない
わけではないと思います。
あの岩井さんも、飼育されているようですので。(本人twitterより)
また、ヤフオクでもちょくちょく幼虫、成虫が出品されています。
本種魅力は、なんといってもオスの横縞だと思います。
また、我が家ではでていませんが、赤い個体がいるようです。
みんな大好き、赤い虫、です。
サイズは20mm程度の超小型種ですが、なんとも愛くるしい動きをします。
ぜひ、温度管理環境と、本種を手に入れていただき、
ブリードを楽しんでいただければと思います。
その際、この記事が参考になりますように。